このところずっと撮影の仕事が多い。
仕事といってもそんな大がかりなモノは少なくて、比較的パーソナルな内容がほとんどだけど。
美容師さんやスタイリストさんの作品撮りとか。
もうひとつは、あるショップのインテリアとして使われる写真。
これは光をテーマにいろいろと撮り歩く訳だけど、結構大変だけど自由で楽しめる。
撮影するモノや場所をピンポイントで狙えないから、とにかく歩き回って撮るしかない。
川沿いをずっと歩いて河口付近まで川面に映る夕陽なんかを撮ってたのでした。
技術的にも考え方的にも写真の基本は光なのです。
逆にその他はどうでもいいくらい。
確かに色や階調も重要だけど、それも光を如何に反射させ屈折させ、フィルムに焼き付けるかで決まるし、
対象が人物だとしてもその内面とかを映し出すのもある種の光なのです。
光は面白い。
光の速度はすごいし、例えば、絵の具やペンキなんかの塗料だって厳密に言えば、
その塗料を塗ることによって太陽光を当てると、赤なら赤を反射させるモノなわけですよ。
要するに赤い色を付けるから赤なのではなくて、光を当てると赤を反射させるから赤いのです。
人だってそう。
皆それぞれ多面性みたいなものを持っているはずで、
関わり方によって反射する・映し出す面が違ってくるのです。
わかりやすく言えば、こう言えば怒るけど、こう言えば微笑む、みたいな感じで。
ついでに光に関して好きな一節を引用しましょう。
『天才は、天才でないまともな人間より、たくさん光をもっているわけではない。
だが天才はその光を、ある特定のレンズによって、焦点にあつめるのだ。』
